ウエディングフォトグラファー日記

<想い出の一瞬>

 

ある日、あるホテルでの結婚式のスナップ撮影を担当したときのことです。

その日、私が担当する花嫁様は、身体にハンディキャップ(脳性マヒ)がある方でした。

子供のころの病気が原因で麻痺が残ってしまわれたとの事でした。

自分一人でもゆっくりであれば歩かれますが、やはりウエディングドレスを着ての移動は難しく、介添スタッフもいつも以上に気配り手配りをしていました。 

一番心配そうにして付き添っていたのは新郎様でした。

 

お二人が正装をして、写真スタジオへ、型写真を撮る為に入られました。

私はスナップ撮影担当ですので、脇からスナップ写真を狙って、中版カメラでの撮影の邪魔にならぬように部屋の隅で待機していました。

 

白いウエディングドレスに身を包む花嫁様一人の写真を撮ることになりました。

写真室カメラマンが中版カメラと照明をセットします。

カメラと照明を向けられた花嫁様は、不自由な体で一人で立つ不安、慣れないシチュエーションでの緊張でしょうか、麻痺が少しひどくなって、その自分の体を一生懸命コントロールしようとされていました。

一生懸命に普通でいようとすればする程、マヒがひどくなって表情も、体も定まりません。 

 

時間がどんどんと経っていくので、メインカメラマンとアシスタントがあせります。

「笑顔でお願いしまーす。」とアシスタントがついいつもの癖で言ってしまいました。

花嫁様は、コントロールできない表情を一生懸命なんとかしようと更にあせり始めました。思うようにならない自分との葛藤にもう泣き出しそうな気配でした。

 

私はふと私の傍に立っている新郎を見ました。 心配そうに花嫁を見つめています。

そこで、私は、差し出がましいことでしたが、「新郎様、メインカメラの後ろに立っていただけますか?」と、とっさに言ってしまいました。

 

新郎様はカメラの後ろに立って、カメラ越しに花嫁を見つめる位置に立ちました。

花嫁様がカメラを見るとそこに新郎が立っているという状態になりました。

そこで私が、「新郎様、そこから花嫁様に向かって、愛情光線ビームをビシビシおくってくださいね!」と明るく声をかると、新郎は『ハッハッ』と笑いました。

 

それを見た花嫁様も、本の一瞬、麻痺が収まり、フッと笑顔が漏れました。

「これだ!」と私は思わずシャッターを押しました。

メインカメラも、バシャ!とほぼ同時にシャッターを切りました。

私のカメラの液晶画面を見ますと、そこには、花嫁のとっても自然で美しい笑顔のポートレート写真が撮れていました。

「やった!」と心の中でガッツポーズしました。

 

新郎様が見えている花嫁の美しさを写真にキャッチできた一瞬でした。

メインカメラマンも私のほうをちらりと見て「やったね!」と目で合図してくれました。

 

一生の良き想い出となる写真をプレゼントできる喜びでした。

ウエディングフォトグラファーとしてやりがいを感じた一瞬の出来事でしたが、忘れられない想い出です。

 

グーフィー・パパ


【横浜一人旅】

(LUMIX DMC-TZ35で撮影)

<横浜から見た夕焼の富士山と金星が見えたあの日>

5年前のある日、いろんな出来事で神経がちょっと参ってしまった時、気分を変えようとカメラをもって出かけました。その時の写真です。

横浜をLUMIXと三脚をもって撮影旅行しました。

横浜の大桟橋に着いたとき、富士山の方に太陽が沈みゆくところに出くわしました。あわてて、三脚を立てて、小さなLUMIXのコンパクトカメラを固定して、夜景モードで撮りました。空には、金星も輝いていました。富士山が黄金色に輝いています。

最高の一瞬でした。

 高級一眼レフで撮ったといっても信じますよね。今のコンパクトカメラってすごいですね。 ミラーレス一眼のレンズもすごいですから、昔と比べて、比較的安いコストで写真を楽しめるんですね。 

みなさんもカメラをもっと楽しく使いこなしませんか? 安価なコンパクトカメラでもこんな素敵な写真が撮れるんですよ。グーフィーパパのカメラ教室にぜひご参加くださいね。

グーフィーパパ


【 冬の小樽の街 】 

もう、何年前になるだろうか、冬の2月に小樽へ一人旅をしました。 強い風で吹き飛ばされそうになりながら、三脚を立て、カメラを設置する手が凍てつく寒さで痛い。 強風でぶれるカメラを体重で三脚ごと押さえて、数秒間露光。写真には、その風と寒さは写らないが、透き通るような光の雪景色の写真が撮れた。 厳しい自然の中に、営々と生き続ける人々の生活の灯がこころに浸みた夜でした。

グーフィーパパ 

(SONY α700で撮影)